口が悪くてつっけんどん。でもそれ以上に見せてくれる笑顔と優しさに癒されていました。
『掃除がしんどなってきて、ロボット掃除機買おう思てんねんけど、あれどうなん?』
ちょうど事務所で使っていたルンバをお試しで持参。
Aさんはビックリして、得体のしれないものを見るかのように、ワゴンにつかまりながら観察。
ちょっと落ち着くと…指を指しながらルンバを見つめるあの笑顔。
入院対応で夜になった時、
『奥さんに遅なるって電話してから来たんか?あんたも歳やねんからそういうの大事やで。』
服装を見ると、僕と同じスウェットを履いてたので 「Aさん、そのズボン僕も履いてます。お揃いですね。」
『そんなん嬉しないわ。』とニッコリ笑顔
ワクチン接種同行で自宅へ伺ったら居らず、電話すると
『今美容室やねん。接種会場と同じビルやったからもうこっちにおるわ。』 合流するとニッコリ笑顔。
でも、Aさん。今振り返ると僕の中で後悔がひとつ。
最期となった病室での面会。
何かを訴えたくて声を発するが言葉に出来ず。
僕の声は聞こえているので、内容を知りたく想像し得る限りの言葉を並べるがヒットせず…。
あの時の笑顔は諦めやったんかな?
いつかそっちに行ったら教えてね。
何度も打ち合わせたエンディングノート(意思表示)に基づいて死後事務は終えたからね。