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尊厳死宣言の意思表示方法~公正証書

延命治療は望まないのか。様々な意思表示が広がっています。
エンディングノート・ACP(終末期医療アドバンス・ケア・プランニング)、人生会議・リビングウイルなど。
つながり会員制度での【意思表示指示書】もその一つです。中でも今回は公正証書による尊厳死宣言をご紹介します。

では、そもそも公正証書とは?
法務大臣が任命する公証人が作成した法律行為や自身の権利についての証書です。本人が間違いなく意思表示をしたというお墨付きを、公証人が与えた証書です。
しかし、尊厳死宣言においての公正証書は絶対ではありません。なぜなら、日本では安楽死は認めておらず、延命拒否も安楽死に分類されるため法的には効力は可でも不可でもない状態だからです。
つまり、いくら公正証書であっても、担当医はそれに従わなければならない義務はないのです。

担当医は殺人罪に問われる可能性がある為、最終的には担当医の判断に委ねられます。では、担当医や病院が抱える一番のリスクは何か?それは親族からの訴訟です。親族には色んな事情や思いがあります。どんな形でも生きていてほしいといった思いの親族もいるということです。

とはいえ、近年は尊厳死を認める判例も出ています。平成12年に出た最高裁の判決では、宗教上の理由で輸血を拒否した患者に反して医師が輸血を行った事件で、医師が患者の自己決定権尊重しなかったという理由から損害賠償がみとめられました。つまり、輸血を行った医師が悪いという判断がされたのです。よって、大方の担当医はその意思を尊重する傾向があります。

ゆえに、尊厳死宣言(延命拒否)は、公正証書にするのかという事よりも、その内容が重要で、内容に重きを置く事をお勧めします。そして何よりも、その場面で医師にあなたの意思表示が伝わる事が最重要です。そのために書面に記すのです。

書く項目としては、

1)尊厳死の意思表明
延命治療には定義がありません。よって、単純に延命を拒否するという文言だけでなく、例えば胃ろうや人工呼吸器に対する意思表示など

2)尊厳死を望む理由
尊厳死を希望する理由を明示。理由の記載で、家族や医療関係者への説得力が増します。

3)家族の同意
家族が延命措置停止に反対したら医師はそれを無視できません。家族の同意を得た上で、その同意も記載することが大切です。

4)医療関係者に対する免責
家族や医療関係者らが法的責任を問われることのないように、警察、検察等関係者への配慮を求める事項が必要になります。また、医療関係者に安心を与える意味では、民事責任も免責する記載をすることも必要といえます。

5)宣言内容の効力
この宣言書は、心身ともに健全なときに作成したことと、自分が宣言を破棄・撤回しない限り効力を持ち続けることを明確にしておきます。

尊厳死宣言公正証書作成手順
①宣言書に盛り込む内容を決め、原案を作成する
②原案をもとに公証人と打合せ、公正証書文案を作成してもらう
③提示された公正証書文案を確認し、校正作業を行う
④公証役場で公正証書を作成、署名押印を行い完成

(必要書類)印鑑登録証明書・本人確認(免許証、住基カードなど)・実印
(作成費用)2万円弱(公証人手数料・印紙・正本代等)

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