身元保証人と死後事務を担う<つながり会員制度>を始めて10年。
70代半ばだった会員さんも80代半ば。当たり前ですけどみんな年齢を重ねます。
入会時に、会員証に貼るために撮る顔写真。みなさん年月の経過を感じます。

もちろん僕も。ホームページの写真(3年前)からでも随分変わっています(笑)

さて、つながり会員Aさん。
近況伺いを重ねる中で、ん?と感じることがあり、それ以降は宿題をもらったり与えたりで
接触回数を増やしていました。Aさんも不安を感じているのか
『つながりさんが家庭訪問に来ると思ったら掃除せなあかんし、あのこと話そうと考えたりで緊張感があってええわ』と。
そして約束の日を忘れていたりで、認知症神戸モデルを申込んで検査を受ける事に。
一次・二次と検査が進み、診断は軽度認知障害。いわゆるMCIという結果。
これらの検査が続く過程で、Aさんが何度となく思いを吐露してくれます。
複雑な感情が読み取れます。
色んな事を話してくれるひとつに『時々自分に言い聞かせるためにこんなん書いてんねん』とメモを見せてくれ、
『つながりさんに迷惑を掛けたらアカンから』とも。

僕の感情も複雑になりました。
切ない・愛おしい ・ 頼られる嬉しさ ・ 責任の重さ・僕たちがしっかりせねば ・
僕たちが守るんだ ・ でも契約で結ばれただけの関係性 ・ いや、でも家族代わりなんだ、などなど。
これからもAさんの意思が尊重され・穏やかに過ごせるよう、そして進行を少しでも遅らせるために
まずは新たな人との接触や会話回数を増やす事も目的として、地域包括支援センターへ相談に行き
僕たちがAさんのキーパーソンとして包括さんをはじめ専門職と協働していきます。
また、もし判断能力が不十分になった時には
<高齢者等終身サポート事業者ガイドライン>を遵守して、適切に成年後見制度に繋げていきます。
なお身元保証人と死後事務執行人であるこうべつながりは、任意後見人にも法定後見人にもなりません。
なぜなら、囲い込みと利益相反の恐れがあるからです。
また、こうべつながりは財産管理も引き受けません。
理由は、身元保証人の役割において財産を管理する必要がないからです。
だからこそ、任意後見人や法定後見人にならないとも言えます。
このようにこうべつながりは、尊厳・自己決定・尊重・権利擁護、そして協働・共有・適材適所という言葉を意識して活動しています。
これらは、<高齢者等終身サポート事業者ガイドライン>と<地域包括ケアシステム>に沿ったものだと考えています。
